旬彩もろきち

料理研究家や料理人、料理を愛する人のために、食の魅力や食文化の知識を発信します。また、飲食店経営のための経営学的知識や、ワンランク上の料理をするための科学的知識もあわせて紹介します。

南米NO.1のレストランCenral

ペルー料理 小さな料理人の食探訪 より

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ペルーのアートの街バランコに佇む世界で注目を集めるレストランCentralの料理と館内の写真をご紹介します。

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エントランスに入ると同時にスタッフから館内を案内していただきました。

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研究室を思わせるサンプルと実験器具の数々。美食とは常に進化していくものであるという思いを感じずにはいられません。
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円盤状のメニューにはタイトルと共に標高が記載されています。同じ土地の同じ標高でとれた食材を使って1品を仕上げるというこだわりの強さには脱帽。

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【Red Rocks】

黄色のリュウゼツランのピュレは一口でいただいた。中からとろり流れ出る酸味のある液体はペルーのサルサクリオージャによく似た味わい。

カメノテを使った料理(下)はチーズケーキを彷彿とさせるように柔らかくて甘い。予想の斜め上からの美味に感動しました。

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【Desertic Coast】

ツナと呼ばれるウチワサボンの実を使ったパフのような食感のアイス(右上)と、ユヨという海藻を使った料理(下)。黄色いフィルム状の料理は花から採ったエキスを固めたものだそう。
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【High Altitude Farmland 】

マシュワという芋を使った料理。マシュワには黒と黄色のものがあり、黄色のものをフィルム化し、黒マシュワから作ったソースを合わせている(右)。中央はマシュワで作ったバターが入ったフィンガーフード。左の料理にはマシュワのバターにアヒルの煮込みを合わせたもの。

ところで、マシュワは加熱しても生のままでも食べられるそう。アンデス高地ではるか昔から重宝されていたらしく、栄養価も高いとのこと。

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Amazon River】

パイチェという4Mを超える巨大魚(ピラルク)を使った料理。コップに入っているのはそれからとった出汁(ペルーでは魚のスープはチルカノと呼ばれる)。中央の料理には乾燥させたピラルクのパウダーをふんだんに振りかけてもらいました。

左の"アイスクリームの豆"とも呼ばれるパカエのワタは甘くほどけるような口当たりでした。

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【Upper Jungle】

DaleDaleという木はアマゾン上流域で食されており、その根は黄色くトウモロコシのような味がするんだとか。そのバターにパンを付けてお召し上がりくださいと言われたが…パン…。

濃い方のパンにはサチャトマテと呼ばれるトマトが使われているらしい。


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【Sea Trrain】

 SARGASSUMという植物で味付けされたイカと、HUARANGOは調べたところイカ地方のオアシスに生育する樹木で、は

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【Waters of The Desert】

 ロチェというカボチャのチップスが印象的な一皿。アボカドとウニのソースで味付けされていました。

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【Extreme Altitude】

高度4000m以上の高地では生育可能な植物はかなり少なくなります。キウィチャはそんな環境でも栄養豊富な種子をつける不思議な穀物。葉っぱも食べられます。ペルーではおなじみのチョクロという白いとうもろこしや紫色のとうもろこしのソースと一緒にいただきます。

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【Mil Moray】

 おそらく世界一美味しいであろう"焼き芋"。オカというクスコ地方近辺の芋を粘土で包んだ後に焼き上げています。ノミを使って焼け固まった粘土を割ると、中から自身の水分でしっとりと蒸しあがった甘いお芋さんが現れます。

ワカタイ(ブラックミント)のソースをつけていただきました。

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【Amazonian Lake】

迫力満点のピラニア料理。赤と紫というグロテスクな色付けでありながら、中身は焼き菓子のようなふっくらした白色。

手前は、ココナというフルーツとユカを使ったムース様の料理でした。ピラニアの骨を使った料理だそうです。

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【Marine Valley】

 「巨大な」という意味の名前をもつカボチャの下にホタテが隠れています。ピンクのひものようなあしらいは、海藻から作ったものだそう。

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【Plain Forest】

 茶色の部分はアマゾンの川海老で、白い部分はセシナ(セシナは豚肉を乾燥させて作った伝統的なベーコンのような料理)。

いずれもエスプーマという手法によって泡状に調理されている。

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【Andean Woods】

 羊肉の煮込み。上にパラパラとあしらわれた白い針状のものはオユコという。

オユコはジャガイモとゴボウの中間のような食感で、独特の香りがある。

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【Amber Forest】

 チーズで包まれたヤーコンの上に、コーヒーフレーバーのフレークが乗せられています。

 

本来であればこれから後2つの料理が続くはずだったのですが、少しづつ食べてはメモを取ってとゆっくりしすぎたせいで時間切れになってしまいました…(´;ω;`)

厨房の皆さんと写真を撮れたので良しとするか。。。

 

ともあれ食の開拓者としての心意気を五感を通じて感じられました。

地球の反対側まで、そうそう簡単にはいくことはできないけれど、コース16品を制覇しににまた来ます!

 

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