旬彩もろきち

料理研究家や料理人、料理を愛する人のために、食の魅力や食文化の知識を発信します。また、飲食店経営のための経営学的知識や、ワンランク上の料理をするための科学的知識もあわせて紹介します。

大阪で味わう超本格ペルー料理『ソルーナ』

こんにちは、morokitchです。

先日、大阪に本格ペルー料理店を発掘したので報告いたします!

大阪市平野区に店を構える『ソルーナ』は、google mapなどでは「ラテン系多国籍料理」 とジャンル分けされていますが、世界の美食ペルー料理がメイン。

店頭ではもこもこのあいつが出迎えてくれます🦙

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 店内は席数20人くらいの個人営業の店。食の都アレキパ出身の店主と沖縄出身の奥様が温かく迎えてくださいました。

 

ひときわ目を惹いたのがこちらの楽器。サンポーニャというペルーの民族楽器です。大中小いろいろな大きさがあり、あんまり興味津々にみていたので、店主が手空きの時間に演奏してくださいました。

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尺八を思わせるような透き通った音に、ヴィブラートが染み入ります。コンドルは飛んでいくからアンパンマンのマーチまで手広くやっていて、最近はサザンオールスターズの曲を練習中なんだとか(笑)月に2回演奏会もやっているらしく、なんとも賑やか。

 

ではでは、料理の方に移ります。

シェフいわく、美味い料理の神髄は『Simple is Best』たくさん混ぜ物をすればするほど味がぶれやすくなり、お客さんにもわかってもらえない。もともと家庭料理から発達したペルーの味を、いつも変わらずダイレクトに味あわせるのがここの流儀なのでしょう。

今回頂いたのは、チチャロンとポヨ・アルマニーとお持ち帰りのタマレスです。

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まずはチチャロン。

この店の看板商品で、驚くほどに肉が柔らかく、絶妙な塩加減…!

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それもそのはず、ここでは沖縄料理のラフテーの調理法を応用して異例の『外はカリっと中はトロっと』を実現しているそう。 日本人はもちろん、ここに食べに来たペルー人も「こんなに美味しいチチャロンは初めてだ」と満足そうに食べるとのこと。

「うちは本格的なペルー料理しか出さないんです」と言いながら、ちゃっかり本格の上にも行く店主の腕に脱帽です。

 

続いてポヨ・アルマニー

唐辛子ソースを使った鶏肉のピーナッツ煮込みです。

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「甘いの?辛いの?いいえどちらでもありません」という感じの、日本人からすると新感覚な料理です。唐辛子は辛味というよりは旨味調味料として使われており、 料理の輪郭を形作っています。そこからふわっと香るピーナッツの甘い香りがなんともいえぬ安心感をもたらしてくれます。

ご飯と一緒に盛られてたじゃがいもは「素茹で」です。ご飯とポヨ・アルマニー、じゃがいもとポヨ・アルマニーという風に、主食の食感を変えることで異なる味わいを楽しめます。

そう考えると、カレーライスだって、じゃがいもは別個に茹でて食べても良いのではなかろうかと思いました。

 

最後はタマレス。

こちらは持ち帰りにして自宅で頂きました。

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 チョクロというジャイアントコーンをすりつぶした生地にオリーブや豚肉を挟み、バナナの皮で包んで蒸しあげた料理です。

ほくほくとほろほろの中間くらいの舌触りで、ピリッと感じるスパイスが良いアクセントになっています。タマレスは自分でも作ったことがあるのですが、スパイスの調味が難しく、かなり苦労しました。「この味が本場だ」と知れたのは個人的に大きな収穫でした!

 

この他にも、セビーチェ(要予約)やアロスコンマリスコス、ロモサルタード、アヒデガジーナのような定番メニューから、スダートデペスカドやピカロネスのような踏み込んだメニューまで幅広く取り揃えています。

加えて、パパ・セカやレンズマメ、カンチータ、アヒアマリージョなどの物販もしているので、料理人には非常に嬉しいですね。これから料理教室もはじめようとしているらしく、受講生に買い占められる前にお急ぎください(笑)

 

都心からは少し離れていますが、ここを目当てで来る価値のある味でした。

グルメ必食のソルーナの料理。ぜひお試しください!

www.hotpepper.jp