旬彩もろきち

料理研究家や料理人、料理を愛する人のために、食の魅力や食文化の知識を発信します。また、飲食店経営のための経営学的知識や、ワンランク上の料理をするための科学的知識もあわせて紹介します。

ペルー旅行のいろは:2020年版「美食の街アレキパ」の暮らしや魅力

こんにちは、morokitchです。

昨晩、再び大阪市平野区喜連瓜破駅近くの『ラテン居酒屋 ソルーナ』に行ってまいりました。ペルーの旅行事情について大収穫でしたので、美味しいソルーナの料理も紹介しつつ、同志の旅行者のために情報の一部を共有させていただきます!

「ペルー行く予定ないよ〜」という人のためにも、料理レポートや面白エピソードを添えて楽しめる記事になるよう工夫しました( ¨̮ )

※店情報はこちらから↓

ラテン居酒屋 Soluna(平野区/居酒屋)<ネット予約可> | ホットペッパーグルメ

 

さて、実はソルーナに来店するのは2回目。日雇いバイトで大阪に行った帰りに寄って、チチャロン(カリとろ豚肉)、ポヨアルマニー(鶏肉のピーナッツソースがけ)、タマレス(ペルー風ちまき)を頂きました。ペルーの話に加えて、サンポーニャやギターを弾いてくれたりと、すごくフレンドリーでサービス精神旺盛な店長でした^ ^

morokitch.hatenablog.com

 さて、今回は先輩と共に行ったので胃の容量は2倍(笑)

他の種類の料理も沢山いただきました!

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この投稿では、今回いただいた料理の紹介と、アレキパ出身のオーナーさんから伺った「ペルー旅行のいろは」についてまとめたいと思います。

特に、旅行についてはじっくり聞けたので気合を入れてまとめてみます。

 

 

ソルーナのペルー料理(前編)

パパアラワンカイナ

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先輩リクエストの定番料理。湯がいたジャガイモにクラッカーでとろみづけしたチーズと唐辛子のソースが掛かっています。チャームポイントは紫色のペルーオリーブですが、なかなか手をつけようとしない先輩。

「あ、これオリーブだったんだ」

まぁ確かにペルー料理でない限りこの色は見かけることないですよね、安心して食べられますよ(笑)

ポリャーダ

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こちらはペルー風のタンドリーチキン。よく見かけるインド風(ターメリックをたっぷり使った黄色いチキン)ではなく、アヒミラソルかアビパンカ(辛味の弱い旨味唐辛子)を使っているのかな?食欲をそそるオレンジ色で香辛料の強い匂いもありませんでした。

極め付けはシェフ特製のワカタイ(ブラックミント)を使ったソース。玉ねぎやニンニクと油で作ったのでしょうか?旨味と甘味がしっかりありつつ、ハーブの爽やかな香りがチキンとマッチしていました🐓

レンテハスコンペスカードフリート

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これはレンズ豆の煮込みに魚のフライを添えた料理。

「何の魚か分かりますか?」

というシェフの問いに、もはや食い気味くらいのタイミングで

「全然分かりません!」

と即答する先輩。ここまで潔いと気持ちが良いですね(笑)正解はサバらしいです。水産資源の豊富なペルーではサバの他にカツオなんかも使われるとのこと。魚は季節によって変わるのかな。

個人的には上に添えてあるサルサがツボでした(んまぃ)

ペルー旅行のいろは

さてさて、ここらで旅行の話もしていきましょう。

私が3/3〜3/20でペルーに行く事を伝えたところ快くアドバイスをしていただきました。

大阪人の魂をもってペルーへ臨め

ペルーの食材調達といえばメルカド(市場)。メルカドに行けば、その街の雰囲気が全部わかるとも言われるほど。特に関東出身の旅行者は気をつけなければならないことがあります。それは「言い値では買わない」ことです。

特に、相手が観光客だとわかると相場の2倍、3倍の値段でふっかけてくることも多いそう。せっかく買い物をするのなら賢い消費者でありたいですよね。

「Disculpa. ¿Cuanto es? (すみません、これいくらですか?)」

と聞いた後に必ず

「¡Caro! Descuento, por favor. (高いですよ〜、安くできませんか?)」

と言って価格交渉をしましょう(笑)

観光客だからそうすべきというわけではなく、現地の人も当たり前に値切りをするんですから別に恥ずかしいことではありません。

「これ2つ買うから10ソルまけてよ」

みたいなペルー人流のやりとりを楽しむくらいの気持ちが良いかもしれませんね。

値切りに慣れていない関東の方々は、値切り風土の根付いた家電製品コーナーに行って「え〜これ〇〇電気は5000円で売ってましたよ、もう少し安くできませんか?」とか「広告のテレビに加えてDVDプレイヤーも買うからもう少し安くしてくれませんか?」

なんて練習しておきましょう(笑)電化製品は価格競争大好きな業界ですからやりやすいですよね。

 

ただし、どこでも値切りが通用するわけではありません。基本的には市場や個人商店のみ。大きなモールでの買い物や大手ブランドの服や靴は値切れないので注意しましょう。

…なんですが、店長の息子さんはadidasNIKEの衣料品や靴すら値切った実績を持っているとか(普通じゃありえないそうです 笑)

本当にお金がなくなって切羽詰まった時はやってみる価値がありそうですね(笑)

パチモンゲットだせ

ちなみにブランド品にも注意が必要なことがありまさに。チャイナタウンみたいなパチモンがメルカード(市場)には多いそうです。

明らかにアディダスではないけどアディダスだと言い張ってきたりとか、そんなこともあるらしいです。そういうあからさまな商品はどんどん値切っちゃいましょう。

聞いたところによると、PUMAを真似たllama(リャマ🦙)のパチモンブランドTシャツを見たことがあるとか。これははむしろ欲しいですね(笑)

気になるペルーのトイレ事情

トイレットペーパーは万能紙

旅行で気になるトイレ事情。ペルーはどうなのでしょうか?

下水道などのインフラがまだ整っていないこともあって、ペルーのレストランなどでお手洗いを借りるのは有料になります。その際に紙をくれるのですが、その量がと〜〜ってもケチ(笑)

明らかに足りないのでトイレットペーパーは持参しましょう。

ペルーでは大抵2個セットで売っているので、一方はカバンに、もう一方は芯をとって移動用バッグのサイドポケットに入れ、ロールの内側の方(芯を抜いた方)から使います。すると、わざわざロールを手に持たなくてもスルスル使えるようになります。使い勝手はウエットみたいな感じですかね。

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ペーパーは日本から持っていっても良いのですが、ペルーで買ってしまうのもあり。というのも、ペルーのトイレットペーパーは固くて水に溶けないので、

  1. 雨で多少濡れても大丈夫
  2. バス運転手に行き先を伝えるためのメモ用紙としても使える
  3. とても安い

なんてメリットもあります(笑) 

ただし、トイレに詰まってしまうので決して流してしまわないこと。ゴミ箱があるはずなのでそちらに捨てましょう。

 

便座はどこへいった?

ペルーのメルカドに行くと、便座が売っているのを見つけるかもしれません。なんでって、わたしたちが慣れ親しんだ便座は「トイレの標準装備」ではないからなのです。ペルーの便座は日本で言うウォシュレット的なところでしょうか?

なので、便座がない時は、本来それがあるべき場所に紙を敷き詰めて座るか、足を掛けてしゃがみましょう。お金持ちが行くようなレベルのレストランは流石に大丈夫ですが、バックパックで行くような際は戸惑わないように覚悟しておくと良いです。

 

お湯が出るって言ってたじゃん!?

温泉・湯船文化の日本人、ホテルで水シャワーしかないとがっかりしますよね。なので事前に

「このホテルはお湯出ますか」

「はい出ますよ」

と確認しておくのがgood。

しかしそれでもお湯が出ないことがあるのです。しかし、ただちに「嘘やんけ!騙された」と言ってしまうのは勇足。ここで、ホテルのスタッフは嘘はついておりません。ではなぜ、お湯が出るはずのホテルで水浴びをする羽目になるのでしょうか?

 

日本では、電気やガスでお湯を沸かすのでいつだって温かいお湯を浴びることができます。しかし、ペルーでは、水を貯めたタンクの中をソーラーで温めるシステムのものがまだ多く、溜まっている分を使い切ると水しか出なくなってしまうのです。

つまり、先程のやり取りには

「このホテルはお湯出ますか」

「はい(普段は)出ますよ(他のお客さんが使い切っちゃうと水しか出ないけどね)」

なんていう裏があったのです(笑)

 

水に弱い日本人は確実にお湯の出てくる日中や朝のうちにお風呂を済ませておくのがベター。安宿だと、日本みたいな、就寝前にゆっくりお湯に…なんてのは難しいことが多いですね。あるいは、気になるならホテルに泊まる前に、ソーラーかガス電気のどちらかを確認しておいても良いでしょう。

ちなみに、店長も20歳まで逞しく水で体を洗っていたそうですが、日本の湯船に慣れてからはペルーの水風呂に耐えられなくなったそうな(笑)

一度湯船の快楽を味わうと戻れなくなるんですね〜

ソルーナのペルー料理(後編)

観光談議は一時中断で美味しい料理の続きです🍳

先ほどの料理はぺろりと平らげてしまったので追加注文!

ケサディーヤ

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こちらは小麦粉で作ったタコス生地でチーズを挟んだ料理。こんがりパリッと焼いたケサディーヤを噛むと、中から塩味の効いたチーズがトロッと出てきます。ビールが飲みたい〜🍻🍻🍻

ピカロネス

写真を撮り忘れました。ペルー風ドーナツです🍩

かぼちゃとさつまいもを潰して作った記事はもっちもちに仕上がっており、蜂蜜だけをかけた素朴な味わいは優しい印象でした🎃🍠🍯

黒蜜をかけるイメージが強かったんですが、蜂蜜もイケてますね!

ソルーナに来たら外せない逸品

前も食べたけどまた頼んでしまいました「チチャロン(豚肉の揚げ焼き)」です。

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ここのチチャロンは沖縄のラフテーの製法と組み合わせているおかげで、めちゃくちゃ柔らかく仕上がっています。何度も食べたくなる看板商品です…!

ではでは、贅沢なおつまみと一緒に旅の話の続きといきましょう。

アレキパは魅力の詰まったコンパクトシティ

アレキパはカテドラル(教会)を中心に街が広がったかつてのペルーの首都です。教会の塀に沿って建てられた二階建ての廊下が美しく、レストランやショップが軒を連ねる景色は観光客の心を鷲掴みにするんだとか(写真を見せてもらいましたが、ライトアップもきれいでした✨)。アレキパは「地球から月が生まれる時に月が地上に置き忘れた街」とも言われ、シジャールという白い石灰岩によって造られた白い街並みが有名です。また、ペルーきっての美食の街とも言われ、多くの郷土食を育んだ魅力的な土地でもあります。

 

店長はアレキパ出身らしく、色々と現地情報を教えて頂けました!

街の中心のカテドラル(教会)の広場には、夜になると出店がずらり。アンティクーチョス(串焼き)やサチャパパス(フライドポテトとウィンナー)、ローストチキンなどの屋台が現れ、まるでお祭りのような様相に。クラブやバー、カラオケといった夜の娯楽も揃っていて足りない物はないと言えるほど。

昼間も教会の周辺にはレストランや民芸品がずらりと並んでおり、レストランにも困らないそう。カテドラルから数ブロック10分程度歩くとぐんと値段が安くなるので、買い物の際は少しだけ歩くのがおすすめ。ただし、お洒落な高級品は中心部にしかないのでそこで買いましょう。ショッピングモールなんかもあるそうで、ここでお土産を買うのが最もコスパがいいそうです。

スキミングにご用心

買い物にはお金が必要ですが、両替は注意しながら行う必要があります。というのも、個人商店なんかの前においてある両替機にはスキミングの機械が付けられているかもしれないからです。

「あなたがキャッシュカードを通した瞬間に内部の磁気情報が抜き取られて、いつの間にかカードでアルパカ200頭が決済されていた」

なんてことも起こりかねないのです。なので、ATMからお金を引き出す際は大きなお店の物を使うこと!空港以外では隠しカメラなんかもある可能性があるので、暗証番号を打ち込む際は手で隠しながらボタンを押すようにしましょう。

クスコへ行くならアレキパから

アレキパは美食がたんまりなだけでなく、クスコへの中継地としても優秀です。というのも、高山病のリスクを大きく減らせるからです。

マチュピチュのあるクスコへは、リマから直接フライトで行くコースが一般的ですが、このコースではほんの2時間足らずで海抜0mから3100mへと移動することになり、高山病の発症リスクが非常に高くなってしまいます。

一方で、リマからアレキパ(標高2100m)へのフライトであれば高山病にかかることはほとんどありません。ある程度、身体を高地に慣れさせてからクスコに行くのが良いでしょう。

とはいえ、2100mから3100mですら、飛行機で移動するとなると高山病リスクはまだまだあります。一番体に優しいのは、アレキパからクスコまで夜行バスを使うコース。これなら少しずつ身体を高地に適応できるので、ぐんと高山病リスクを下げることができます。ただし、途中に標高4000m級の山を越えるのでこまめに水分を摂るように心がけましょう。

さらに気を使うなら、標高が高くなるポイントで起きておくことでしょう。眠ったまま高いところに行くのも身体の適応が遅れて高山病にかかりやすくなるそうなので爆睡にだけは注意しましょう。

高山病を防ぐためのポイントは

  1. 一気に標高を上げない
  2. 水をこまめに摂る
  3. 眠ったまま標高を上げない

です。お気をつけて!

 

余談ですが、料理やお土産の面でもアレキパを経由するメリットがあります。

というのも、アレキパ人からするとクスコの料理はそんなに美味しくないそうです(標高が高い分、火力に制限があるからかな?植生も少なく手に入る食材も限られていたために料理技術が発達しなかったのかも)。もちろんアレキパにはないお粥のような郷土料理があったりはするのですが、クオリティは今ひとつとのこと。観光街ゆえ物価も高いのを考えると、食の都アレキパでお腹を満足させてから行くのが良いのかも。そもそもクスコの目玉は遺跡ですもんね。

(「どうしてもクスコでうまいもんが食べたい!」という場合は、高級レストランに行く以外に、料理教室に行ってみるという手もあります!)

 

 

おまけ:フレンドファンディングについて

他にも空港で気をつけることやら料理のことやら本色々なお話を伺えました。多分隣で聴いてた先輩をペルーに連れて行っても大丈夫なくらいでしょう(笑) 

ちなみに、アレキパの旅程相談の時に「実はまだパスポートすら取れてなくて…」みたいな話をした時に、さすがにコイツは心配だ、と思わはったんでしょう。幸いにも店長さんのアレキパ帰省の時期と私の旅程が近かったこともあって、親戚のお家に泊めて頂けることになりました。この厚意には感謝してもしきれません…泣

お土産は京都の日持ちのするお菓子かなぁ。日本酒なんかもありかもしれない。少しでも感謝の気持ちが伝わるものにしよう。

 

さて、先日から告知してきたフレンドファンディングの有効期間も残り5日となりました。皆様の支援のおかげで目標金額の5万円にずいぶん近づきました。

フレンドファンディングといいソルーナの店長の助けといい、いろいろな人に支えられ生かされている感覚を最近強く感じます。高校時代に部活で「支えてくれた方々の感謝を忘れず…」なんていうセリフをよく使いましたが、生活すること自体の過酷さや苦労を知って初めて、そういう「支え」のありがたさをひしひしと感じられるようになりました。

相変わらず、修論執筆やら引越しやら渡秘準備の合間にバイトを続けておりますゆえ、少しでも支援いただけると幸いです。

↓フレンドファンディングのリンクはこちら

polca.jp

旅程についてもおおよそ固まりました!5日後のフレンドファンディング終了後に必要資金などを全て計算してブログに投稿したいと思います。 

それではまたの更新をお楽しみに。お読みいただきありがとうございました。