料理人と料理研究家のために
ブログ訪問ありがとうございます。
私は、大学院で化学を専攻している学生です。
大学生活の初めに自炊をスタートしたのをきっかけに料理が大好きになり、それから大学卒業までの4年間、和食料理店で修業させていただき、調理師免許を取得しました。それだけでは飽き足らず、自ら料理長兼店長となって一日限定の料理店を営業したり、レシピコンテストに応募したり、料理検定や食品表示検定に挑戦したり…周りの一般大学生の中では比類なき料理マニアだと自負しています。
ただ、それと並行して就職活動を進める中で、飲食業界がとても厳しい状況にあることを知りました。
最近騒がれている人手不足はもちろん、腕のある料理人でも独立の方法がわからなくて実力を持て余していたり、料理の道に入っても接客と皿洗いばかりで何年も時間を費やしてしまったり、国外の料理に興味があっても言語の習得が難しくて断念したり、もう一押しの工夫が足りず商機を逃して赤字経営になってしまったり…
このままじゃ良くない、自分に何かできることを!と思い始めたのがこのブログです。
「自分の飲食店を開いて経営する方法」「科学者の目線から見た意味ある調理テクニックと無意味な調理の迷信」「店やメニューのコンセプトを支えるための食文化の知識」「食に関する本の紹介」「希少食材の取り扱い」など…
自分が修行しながら学んだ内容を下地として、大学の情報リソースをフル活用して、一般の料理が大好きな方々はもちろん、それ以上に国内の料理研究家や料理人のために有意義な情報を提供しようと考えました。
また、将来自分の店を出すまでの覚書として、情報を新鮮なまま蓄えておきたいという意図もあります。
こういった背景のもと「料理関係者の支えになるような情報を共有したい」というコンセプトをもって連載を始めようと思います。
さらにこのコンセプトに加えて「ペルー料理の魅力を日本に広めたい」という思いもこのブログに乗せていきたいと考えています。
「なんでペルー??」と疑問を感じた方も多いかもしれません。
日本のグルメ界隈では知られ始めているのですが、世界トラベルアワードの 『世界美食国ランキング』でペルー料理が7年連続1位を受賞しているのです(スクロールダウンするとAward Historyで2012年から2018年までPerúと書いているのが見て取れます。独壇場ですね)。
つまり
「世界で一番美しくうまいのは和食でも中華料理でもフレンチでもなくペルー料理」
なのです。
世界を旅してでも美味しいものを食べたいという人を対象に集計した結果なのですから説得力もあるでしょう。
ペルーが高評価なのはもちろん理由があります。
まず、ペルーは海・山・アマゾンジャングルのおかげで地球上のほとんどの食材が生育する食材の宝庫なのです。
それに加え、中世のスペインの侵攻とアフリカ人の流入、戦時の日本・中国からの大量の移民により世界各国の優れた調理の技法や文化が流入しました。
まさに鬼に金棒です。
つまり、ペルーの料理は、旅人からすれば美食の集積地。料理人からすればほとんどの食材と世界の調理技法のエッセンスを学べる超魅力的な料理ジャンルというわけです(この目もくらむような事実に私はすっかり魅了されてしまいました)。
ペルーの首都リマにある 『世界のベストレストラン50』の6位にランクインした高級レストランCentralや日本の越境料理人と言われる小西紀郎さんが開いたペルー風高級和食料理店Toshiro’sの料理が美しいのはさることながら、庶民に親しまれているファストフード店のメニューや、市場の食べ歩きなどでも目を見張るような美食を発見できます。
このように、ペルーが料理界を風靡しているにもかかわらず、日本のペルー料理店は少ない…なんともったいないことか!
まだまだ成長の余地のある和食に最先端のペルーの技術を組み合わせることで新たな美味しさを発明することはきっと可能です。
私がこれから作る文章が、少しでも多くの人にペルー料理の魅力を感じさせ、普段の和食に少しでもその要素を取り入れて頂けたなら幸いです。
まずはここまで読んでいただきありがとうございました!
これからの記事をお楽しみに!!