旬彩もろきち

料理研究家や料理人、料理を愛する人のために、食の魅力や食文化の知識を発信します。また、飲食店経営のための経営学的知識や、ワンランク上の料理をするための科学的知識もあわせて紹介します。

ペルー料理の基本食材

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ペルー料理を作る前に

世界を魅了するペルー料理、いったいどんな食材で作られているのでしょうか?

この記事では、ペルー料理によく使われる食材をまとめます。

 

 

 

唐辛子

アヒアマリージョ

黄色い唐辛子。辛味はそんなに強くなく、ペーストにすれば料理の色味付け、刻んで使えばサルサ、細切りにすれば野菜として使える万能食材。国内では冷凍アヒアマリージョが出回っており、必要な分だけ切って自然解凍し、残りはラップして冷凍庫に戻して使います。

また、ミキサーにかけるのが手間であれば、瓶詰アヒアマリージョペーストペースト も出回っています。ただし、変色しやすいので蓋を開ける時間は極力短くし、内蓋にこびりついてしまったものは丁寧に拭きとってあげましょう。

カウサ、ロモサルタード、アヒデガジーナ、ティラディード、セビーチェなど、たくさんのペルー料理に使われます。 

アヒリモ

冷凍アヒリモが流通しています。

刻んで使われることが多く、アヒアマリージョよりもピリッとした辛さがあります。個体の熟れ具合によって黄色~橙~赤と色にばらつきがあるので、これ一つ使うだけで料理に彩りが生まれます。

細かく刻んでサルサにしたり、セビーチェに入れたり。料理にキレやアクセントを与えるといった役回りです。


アヒパンカ

ペルーシェフではパンカペッパーペーストという商品名で売られています。

基本的に加熱料理に使われる食材です。

燻製のような香りと強いコクを持っているのが特徴。肉や魚の臭みを消したりするのにうってつけで、特に鉄板焼きとは相性が良いです。

アーティクーチョ、チャンファイニータなどに使われます。

ロコト

ペルーを代表するずんぐりした肉厚の激辛唐辛子。

辛み成分が集中している黒い種と白い筋を取り除いたのちに、何度も茹で零してやっと食べられます。辛いのが好きなら茹で零す回数を1回や2回にしてみてもいいかも。

代表的な料理はロコトの肉詰め。サルサにしてもgood。

こちらも瓶詰ロコトペーストが売られていますが、辛党専用です(笑)

アドボのような赤い豚煮込みに使われます。

野菜・果物

リモン

ペルーの柑橘。国内では手に入らないのでレモンやカボス、スダチなどで代用します。メキシコ産のキーライムが最もこの味に近いといわれており、bepecahのような有名ペルー料理店ではこのキーライムを使ってセビーチェやカウサレジェーナのような料理が作られています。

オリーブ

ペルー産オリーブは紫色!

粒立ちも大きく、ポンと乗せるだけでペルビアンな雰囲気を演出できます。

国内に出回っているあらゆる食材にない深い紫色なので、これ一つあるだけで彩りの幅がぐんと広がります。

付け合わせだけでなく、ミキサーでペーストにした後、マヨネーズと混ぜてソースを作ったりもします。


チェリモヤ
 

パイナップル・マンゴーに並ぶ世界三大美果の一つが チェリモヤです。

ペルー原産で緑色の鱗のような果皮に覆われ、中身はわた状のねっとりした白い果肉が入っています。森のアイスクリームともいわれる自然な甘さが特徴。日本では流通量が少なく高価なのがネック…沖縄県産のアテモヤなら少し安価に手に入ります。

 赤玉ねぎ

ペルーでは赤い玉ねぎがメジャー。日本でも売られているのでなじみがあるはず。

酸に反応して鮮やかなピンク色になるので、リモンやビネガーとよく合わせられる。

香草

コリアンダー

別名はパクチースペイン語圏ではクアントローとも言いますが、全部同じものを指します。塩味を引き立てる独特な香りを有し、適量料理に混ぜることでよいアクセントになります。

フレッシュなものを刻んでサルサやスープに使うほか、アロスコンパトやアロスコンチャンチャのような炊き込みご飯に使われることもあります。

炊き込みご飯には瓶詰コリアンダーペーストがあると便利。日本でフレッシュコリアンダーを買ってミキサーにかけるより断然割安でできます(ペルーに行けばコリアンダー1把が30円で買えます。ペルーで加工して瓶詰したものが安いのは当然ですね)。 

ワカタイ

ペルーで扱うハーブのなかでも最も特徴的な香りを持つ。別名はブラックミント。

心地よい香りを有し、ブラックミントペーストからは爽やかなえぐみを感じます。

多くのペルー料理屋は独自にフレッシュのワカタイを仕入れているようで、ペーストのものでは味わえない新鮮な香りだけをダイレクトに楽しめます。

オコパというアレキパの郷土料理がもっとも有名です。


穀物

キヌア

栄養価が高く、日本でもスーパーフードとして人気になったので知っている方も多いキヌア。アンデス高地で栽培され、黒・白・赤のものが出回っています。別々に買い求めることもできますが、3色セットのキヌアナティーヴァも安く手に入ります。

モダン系の料理でご飯の代わりに利用されたり、スープに混ぜたり、プチプチとした食感がくせになるのもあって、用途は様々。


チョクロ

 ジャイアントコーン。白く大きいその粒はもちもちとした食べ応えのある食感。日本で見られるトウモロコシと比べて甘みが少なく、素朴な味が特徴。茹でたものがよく付け合わせにされるほか、チチャというお酒の原料にもなります。ほまた、ミキサーで細かくして練ったものを蒸しあげてタマルというアマゾン料理になったりもします。


ユカ

マニオクやマジョッカ芋と呼ばれることもありますが、キャッサバ芋と言えばピンとくるでしょう。最近はやりのタピオカの原料となる芋で、これを揚げたユカフリータは、カリっともちっを両立する最強のフライドポテトに。日本では原価の関係でユカフリータのような一品料理になることが多いですが、現地では茹でたものが付け合わせに出されるようです。

国内でも生産されていますが、ほとんどが業者にのみ流通しています。

チューニョ

パパ(ジャガイモ)を凍結乾燥したもの。赤道直下の高所(標高は富士山頂くらい)では、昼はからっと暑く、夜は氷点下です。その温度差を利用して作られたのがチューニョです。最終工程で脱水されるので出回るのは乾燥品。布をかぶせて白く仕上げたものはモラヤと呼ばれます(見た目がいいのでチューニョより少し高い)。  


オユコ芋
 

人参やゴボウを思わせるような滋味で、食感は少し硬めの茹でたリンゴ…

と言われてもなかなかイメージがつかないと思いますが、繊維を感じさせるようなジャガイモの仲間です。一般向けにはカット済み冷凍オユコのみ流通していますが、酢で茹でたりして氷臭さを抜く必要があります。業務用の丸ごと冷凍や生であれば匂いを気にせず楽しめます。炒め物に使われることが多いです。

 

パパ・セカ 

準備中(morokitchが購入してみてから記事にします)

ペルーの食材を買う

ペルー食材を買いたい場合は、通販最大手のキョウダイマーケットさんに頼りましょう。一般家庭向けの販売をしており、この記事で紹介する食材のほとんどが購入できます(キャッサバ芋チェリモヤなどは実店舗か業務用のみの取り扱いです)。

もし東京にお住いの場合は五反田のペルー領事館の前に本店がありますので、直接来店がおすすめです!キャッサバ芋や牛ハツ、生のペルー唐辛子などなど、魅力的な商品にたくさん出会えます。

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