旬彩もろきち

料理研究家や料理人、料理を愛する人のために、食の魅力や食文化の知識を発信します。また、飲食店経営のための経営学的知識や、ワンランク上の料理をするための科学的知識もあわせて紹介します。

中華風ペルー料理 ロモサルタードの作り方

ペルーの家庭料理:牛肉の野菜炒め(Lomo salutado)

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ロモサルタードはペルーのどこに行っても食べられる家庭料理の一つ。

戦時中に日本や中国からの移民流入をきっかけに生まれた料理と言われています。

 

この料理のペルーポイントは、アヒアマリージョという黄色唐辛子が使われ、フライドポテトと合わせられている点。

それでいて、日本人から伝わった醤油で調味されており、中華鍋で一気に加熱して仕上げられるといったように、各国の調理技法が込められている面白い一品です。

ジューシーな牛肉の旨味と野菜の調和が嬉しく、どこか日本食を感じさせるような親しみある味です。

 

ちなみに、この料理に使われるトマトには、うまみ成分であるグルタミン酸が多く含まれています。加えて、あまり知られていないのですが、唐辛子のグルタミン酸量もトマトに匹敵するほど。

旨味野菜の二大巨頭と牛肉のイノシン酸の相乗効果で驚くほどおいしい仕上がりになります。では早速レシピをお伝えします。

 

ロモサルタードのレシピ

 

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材料4人分

牛肉:400g

ジャガイモ:大2個

トマト:1個

赤玉ねぎ:1個

アヒアマリージョ:1本

ニンニク:1かけ

醤油:大さじ1

リンゴ酢:大さじ2

砂糖:小さじ1

 

  1. ジャガイモを棒状に切って2.3分水にさらして表面のでんぷん質を洗い流す。ざるに挙げてキッチンペーパーで水気をとる。
  2. フライパンに1cmほど油をしいてジャガイモを入れて弱火でじっくり揚げてフライドポテトを作る。
  3. 鍋に油大さじ2を入れて熱し、塩コショウで下味をつけた牛肉の両面を色が変わるまで焼く。
  4. みじん切りのニンニクと細切りのアヒアマリージョ(またはパプリカ+アヒアマリージョペースト大さじ1.5)を加えて火を入れ、櫛切りの赤玉ねぎとトマトを入れて強火で炒める。
  5. 野菜がしんなりしてきたら砂糖とリンゴ酢をいれて全体になじませる
  6. 最後に醤油を入れて10秒ほどさっとあおる
  7. 皿にご飯を盛り付けてフライドポテトを敷き、その上に炒めた具材を乗せて完成

 

ペルーではロモサルタードは一品料理として食べられることが多く、ご飯と共に出されます。やってみてほしいのは、フライドポテトを後半に食べること。牛肉から出てきたソースを吸い込んでとても美味しい罪な味に…!

冷凍アヒアマリージョが手元にない場合は、アヒアマリージョペーストとパプリカでも代用可能です。入れるタイミングはレシピ通りでOKです。

 

今回は入れていませんが、刻んだパクチーや、ぶつ切りにした万能ねぎを工程6の前に加えることもあります。本場ではむしろこっちがメジャー。パクチーが苦手な方も、火を通せば気にならないという人が多いので、ぜひ試してみてはどうでしょうか?  

 

アヒアマリージョ?という方は前の記事をご参照あれ

morokitch.hatenablog.com